幸いにも生徒会室には、ルルーシュひとりきりだった。
スザクが部屋に入って来た事には気付いたようで、ちらりとこちらを見たけれども彼は書類の山と格闘している。
すぐに視線は目の前の書類へと向けられて、少しだけ拗ねた思いになった。
久しぶりに学校に来たのに声も掛けてくれないなんてあんまりだ。
ふてくされた思いでルルーシュの背後に近寄る。
そこでようやく「どうしたんだ?」と振り返りもせずに彼は声をかけてくれた。
「久しぶりなのにあんまりじゃない?」
と告げると「そうか?」との素っ気ない返事。
スザクはえいとルルーシュの顔をこちらへ向けさせた。
「忙しいんだ、後にしてくれないか?」
「こっちも忙しいんだ」
と、スザクは告げてルルーシュの唇へ、自分のそれをくっつけた。
子供のようなキスだった。だけど、目を開いたままだったルルーシュの目は見開かれて、ひどく驚いている。
成功した、と思った。
「今日はキスの日だよ」
と告げると、「俺とお前でどうしてそうなるんだ?」と返された。
色気がないなあと思わないでもなかったが、それがルルーシュなんだからしょうがないと、思わず笑いが漏れた。